大会長 森 毅彦(もり たけひこ)
東京医科歯科大学医学部 血液内科
日本がん口腔支持療法学会 第7回学術大会を2021年12月4日(土)と5日(日)に開催させていただくこととなりました。大会長としてここにご挨拶申し上げます。
本来であれば、皆様と対面で文字通り膝をつき合わせ、活発な意見交換をしたいところですが、未だCOVID-19が全世界で猛威を振るっております。ワクチン接種が進むことでその終息が期待されおりますが、変異株の出現等もあり、先の状況が見通せません。そのため、昨年と同様にWeb開催とさせていただきます。参加される皆様が安全に参加いただくためのご判断とご理解いただけますと幸いです。Web開催も悪いことばかりでなく、業務の合間などに簡単に参加できること、移動時間が節約できるなどメリットもございます。そのメリットを最大限引き出した学術大会にしたいと考えております。ただ不慣れ故にご迷惑をおかけすることもあるかとは思いますが、どうかよろしく御願いいたします。
がん(悪性腫瘍)は昭和56年以降、我が国の死因の第1位であり、一貫して増加傾向にあります。分子標的薬を含めた新規治療法が次々に登場する中でもその上昇に歯止めをかけることが出来ておりません。がん患者さんの治療では本体となるがん治療と共に支持療法は不可欠なものです。その中でも特にがん口腔支持療法は注目され、広く実践されております。日本がん口腔支持療法学会(JAOSCC)はがん診療における「口腔支持療法」に特化した学会であり、このフィールドの臨床,研究,教育を推進し、医療および患者さんの生活の質の向上に貢献することを目的として活動しております。がん口腔支持療法の現場では医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、薬剤師、管理栄養士といった多職種が様々な場面で関わります。各々が専門家として自身のもつ知識と経験をフルに活用して、個々の患者さんに最適なタイミングで最適なケアを提供することが求められます。しかし、それら専門家が独立して携わるのではなく、リアルタイムに情報共有・連携して、専門家集団(チーム)としてその診療にあたる必要があります。そのような観点から、本学術大会ではテーマを「チームで支えるがん口腔支持療法」としました。本学術大会に参加することで、皆様と共に各専門家の成果・技術や経験を共有し、また職種の垣根を越えたチーム作りに不可欠なものが何かを考え、翌日から実診療で最適なケアを提供するために活用できる「何か」を見いだすことができればと考えております。
Web開催ではありますが、皆様のご参加をお待ちしております。
よろしく御願いいたします。
E-mail:jaoscc2021@jaoscc.org